山里の自然探訪と村民との交流
シオジの原生林は遠かった。 小雨がパラついたり、晴れ間がのぞいたりするなかを、渓流沿いに3時間進み、原生林の入口に着く。 間もなく雷鳴とともに大粒の雨が林に降り注いだ。 シオジの大木と実生の双葉の芽生えのあるこのあたりは、みずみずしい緑に覆われている。 折からの雨で樹幹を伝わって落ちる水と枝先の葉から垂れる滴が辺りを湿らせ自ら林床に浸透し、沢に流れ出始めた。 晴天でも枯れることがない沢の水が勢いを増そうとしてきた。 その様な自然の動きにそれぞれ感動を覚えながら、ここから先のシオジの原生林の中心部へ 少しでも近付くべく歩みを進めたい気持ちもあったが、やむを得ずここで引き返すこととした。 また次回に楽しみを残すことができた。
石垣の上に建つ民家は6軒、小さな集落だ。 車社会に合わせて、一部はコンクリートのように壁に強化され、急勾配のコンクリートの道になっている。 少しかつての姿を壊しているが、下から見上げると急斜面にへばりついて積み上げられた3~4mの石垣と 住居が迫力をもって目の前に迫る。 さらに、その両側からもっと上へと50~90cm程の高さに石積みされた段々畑が伸びている。 今では、住まいの近くは畑として使っているが、高いところは登る道すらも夏草に覆われ、 斜めの畑は耕す人手もなく放置されているようだ。 しかし草の間に見え隠れする石積みは、代々ここで暮らしてきた人々のたくましい生活力を感じさせ、 景観としても感動を覚える。 このような地区は村にはもうほとんどない。 これからも現状を保存しながら、段々畑を耕作し、生きた文化として復活することはできないだろうか。 内山さんをはじめ村民の中から文化財としての指定を望む動きがある。 このような形を実現して、村、県、国など行政の助成を受け景観を整える工事を進めることが重要になってくる。 今後、住まい手と行政と支援推進グループとの早朝の合意が計られることを願っている。
山里の夏・巨木探訪
炭粉入り、スギナ粉入り、地粉入りの3種類を手でこね、足で踏みつけ、延ばして畳んで切って、 大鍋で茹でて器に盛り出来上がった。 付け汁にくぐらせていただいた3色うどんはとても美味しかった。
吹く風が心地よく汗まみれにはならなかった。
林道に入ると石がゴロゴロ、草も倒されていて大量の水が走った様子だ。 道が寸断されている。 わずかに残った山側を足がかりを探しながら慎重に通過。 浅い川を3つ渡った。長靴を借りたりハダシになったり全員通過。
やがて登りになる。 左側は崖、右は谷、道幅せまくその道が切れて細い丸太が3本渡してある。 下が丸見え。 ロープをつかんで岩場も登った。
急な登りをしばらく行くと辺りを暗くして黒い幹が見えてきた。 目的の「樽の沢のトチ」である。 大きく枝葉を広げてその下は草もまばらにしか生えていない。 ロープを廻して計ると5m弱あった。 昼食後、下山。
以前(昭和62年)に植林したヒノキを訪ねたり、「ふれあいの館」でお土産を買ったり、 木工品を見たり、上野村で唯一というタラヨウの大木を見学。 名産のプラム果樹園も見学した。
「里の在処」上野村
川和自然公園内の施設にて地粉を使った手打ちうどん体験を行なった。摘みたての野草の天ぷらと手打ちうどんで昼食をとる。
まほーばの森の草刈り体験で汗を流す。
夕食後、内山先生を囲んで「里の在処を考える」をテーマに、様々な話題で盛り上がる。
昨年のルートと違うため、村人の案内で原生林に向かう。
険しい道を歩き、シオジやカツラなどの大木を見学。「レンゲショウマ」の群落があり1cmほどの丸いつぼみをつけ私たちをむかえてくれた。
薪割りや薪運び、畑仕事の収穫など、農作業を体験。
牧野ゴン僕をしたから運び上げる人、お皿に守る人と手分けして一汗流した。
茶葉の入った手桶から杓子で湯飲みに注ぐという合理テクな方法で、冷たいお茶と甘いお菓子、もぎたてのキュウリをご馳走になった。
村内で昔から作られて居た豆麹味噌の復活を目指す語り部・黒澤清さんのお話を伺う。彼のおばあさんから聞いた方法に研究を重ねて商品化にこぎつけた話を聞き、その情熱に感銘を受ける
公共事業をするために巨木を切ったお話を聞く。麹の妨げになるから着るのではなく、山の大切な資源を切って財源にあてるという言葉を聞きまさに、山の木はこの村の財産であることを痛感。
地場産の果実を使ってジャムや佃煮が売り出されていた。他から求めてきて作るのではなく、地場産のものをいかにうまく利用し、村おこしにつなげていくか、ということのようであった。
山里文化祭の見学と体験交流
今年は、群馬県全体で第16回国民文化祭・ぐんま2001(内山先生総合プロデューサー)が 11月開催予定ですが、その前段階の取り組みとして、上野村・中里村は独自に山里文化祭 を開催しています。 その文化祭の見学や体験・交流などに参加をしました。
焼き餅を作り、大切な昔の機を織らせていただきました。 川面を渡ってお屋敷を抜ける風は、人肌に気持ちよく、大の字になって寝転がりたいほどの 開放感がありました。
山野草、炭焼き小屋のあとなどを見ながら散策。 適度に降った雨の後の木漏れ日に輝く木々の葉、土道の感触、フレッシュな空気と水を 十分に楽しみました。
青木岳男さんの漆と竹工芸のかかわりについてのお話をうかがいました。 工夫と努力と考えをお聞きし、密な作品に触れさせていただきました。
飯出さん宅にて、じゃがいも堀の時は晴れ間も見え、大収穫でした。 その後、草餅、おしんこ、取り立てのミョウガの酢ミソのっけなどを頂きながら、 飯出さん夫妻から山里のお話を聞き、懇談しました。
鎮守の森でおはらいをしていただき、かわいい子供たちのお囃子で天狗とひょっとこに 先導され野道を歩きました。
古い街道の歩道の整備
中里村の「木古里」にて、地元に自生するおかめ笹(地元ではクマザサ)を使用し、 笹竹細工作りに挑戦しました。 材料の笹を刈るところから始まり、1本1本編み、果物かごを作りました。
飯出さん宅にてじゃがいも堀と草刈の体験を行いました。 その後、草餅や手作りヨーグルトを頂きながら語らいました。
午後は、古い街道や龍神の滝の散策、歩道整備作業の予定でしたが、 突然の雷雨により予定変更。 上野村村営各施設の見学や、日航機墜落慰霊の園へ立ち寄りました。
来年2001年に群馬県で開催される国民文化祭の一環として開かれる 山里文化祭上野村のスタッフの皆さんと意見交換する機会が持たれました。 夜遅くまでフォーラム参加者の山里文化を考える歓談が続きました。
前日できなかった歩道整備を行いました。 上野村から野栗峠を経て中里村への街道の下刈りや標識を立てました。