野栗古道と奥名郷集落、天然ヒノキの山を訪れる
40年ほど前の写真集「すりばち学校の子どもたち」を頼りに、上野村の半世紀まえの暮らしを検証できないかということで行った。 「すりばち荘」という温泉民宿の主、黒澤武久さんに案内と説明をお願いした。すりばち学校とこの辺りの集落、胡桃平、奥名郷を熟知しているこの人を頼れたのは、参加者にとって幸運だった。
短時間のなかで、この地域での暮らしが実感を持って語られ、思いも伝わったような気がする。40年前には小石を積み重ねた段々畑であった辺りが樹木で覆われ、説明がなければそれとは気付かなかっただろう。
きれいに草が刈ってあった段々畑が、実は鹿が草を食み、草さえ茂る間がない場所であるとは想像さえし得えなかった。
みんなの力で目的達成。満足感もありみんないい体験が出来たようだ。
天丸山登山口より、各自の体力に合わせ登山。
出迎えてくれた草花、ハルザキヤマガラシ、ハシリドコロ、ミヤマキケマン、ラショウモンカズラ、フタバアオイ、ミヤマエンレイソウ、
ヤマエンゴサク、各種ネコノメソウ、ユキザサ、ヤマブキソウ、等。
樹木ではカエデの仲間が多い。ウリハダカエデ、ホソエカエデ、ハウチワカエデ、コミネカエデ、チドリノキ、イタヤカエデ、サワグルミ、
シオジ、ブナ、フサザクラ、ミヤマザクラ、等。
花の咲く木では、ヒカゲツツジ、キバナウツギ、そして何より軟らかい淡紅色の大輪を咲かせていたシャクナゲ
天丸山の隣にある大山山頂付近にて、天然とおもわれるヒノキを発見。
胸高直径30cm~50cm。見渡して十数本。そっとその膚に触れ、会いに来たぞと思いをこめる
登山のあとの温泉は、ビールにも勝るとも劣らない。
笠丸山、中之沢源流域自然探索路
中之沢源流は直線距離で11km、標高900mから1800mの山麗を南北に渓谷が走る、奥深い渓谷にある。
2003年から調査を行い、2008年8月から、たくさんの人に紹介することを目的に
「秘境・中之沢源流自然散策路」として、環境優先型の見学地としてスタート。
赤、黄、茶、薄緑の落ち葉に覆われて、舗装された一本の道が緩やかな曲線を描いて延びている。
路肩の防護柵は県内の間伐材の丸太加工で施されていて周囲に似合って悪くない。
途中に何箇所かに設置された観察小屋、観察基地とトイレとこの探索路以外に人工物は見当たらない。
深く切り込んだ中之沢をはるか100メートル下に時折望むあたりは、ほとんどが落葉広葉樹の二次林と思われ、時に原生的大木も少し見られる。
やや最盛期を過ぎた紅葉も、ウルシ類、カエデ類の赤が色合いをひきたて、 探索路を何キロ進んでも次々展開する景観の移り変わりは行く人の感性を刺激し続ける。
オボロカヤの滝に下りる間伐材の階段は、数え切れない種類の落ち葉に覆われ、 歩を進めるたび毎に落ち葉を蹴散らして行く。 回りの紅葉の木立と相まって、紅葉の精にでもなって飛び込んで行くようだ。 この一体感はたまらない。
細かな雨の中に雲の切れ間から陽がさし、裸木の小枝に付いた水滴が美しい光を放つのを発見。
青、橙、黄、赤、に輝き、時に変化してゆく。
まるで金剛石のイルミネーションのようだ。
立ち止まって時間の経つのを忘れてしまいそうだ。
鍾乳洞探検や登山を体験
小鹿野町~国道299号~志賀坂峠を越え「さざ波の化石(恐竜の足跡)」を側面に見ながら 神流川合流地点旧中里村古鉄橋手前の「木古里」に到着。
こんにゃく畑を横切り、登山道に入ると立処山山頂まで510mの標示板。
急斜面の連続。標示板が100m間隔で置かれているが、登山道は整備されていない。
山林所有者がそれを望まないらしい。
40分ほど登り、岸壁が見えると「立処鍾乳洞入口」の標示板。
岩壁右側を迂回して、クサリやロープを必死に手繰り、尾根伝いに、最後は岩場を直登、
立処山山頂(735m)に立つ。
快晴で風がは強く心地よいが黄砂警報のためか展望は利かず。
立処鍾乳洞へ
山頂にて昼食・休憩後、立処鍾乳洞入口まで下り、狭い割れ目から鍾乳洞に入る。 全長約150m、落差約35m、コウモリが数匹天井からぶら下がっていた。
下山し、上野村へ向かう。 やまびこ荘へ到着後、早速温泉に入浴。疲れを癒す。
夕食後、工芸家青木氏の語りに聞き入り、気品ある竹細工作品に感歎。
朝8時ロビー集合。
登山口から沢沿いに登り、階段状の上り道で山頂へ。
0時40分、天狗岩の山頂(1213m)に到着。
展望台より南牧村を望む。
この日も黄砂の影響か山脈が霞む。
帰路は二輪草群生地の斜面を下る。
下山後、神流川河原にて昼食。 近くにある大庄屋・旧黒澤家を見学後、往路を戻り西武秩父駅にて午後4時解散。
かご作り体験と村内花めぐり
西武秩父駅集合後、自家用車に分乗。
神流川合流地点 旧中里村古鉄橋手前「木古里」到着。
木古里」経営の高橋隆さんの里山にてかごの材料オカメザサを採集。
1m50cmくらいに伸びたオカメザサを刈る人、その葉をもぎ取る人。
長いヒゴの親玉のような棒が38本必要とのことで、参加者全員で収穫作業。
人数分を収穫し下山。
オコゲたっぷりアツアツの釜めしと山菜の副食つきで、大変おいしかった。
午前中に収穫したオカメザサを編んでいく。 生の笹竹なので、ハネ返りに苦労し、力を入れ編む。 苦労の末、野菜や果物を盛るのに最適なかごが完成。
class="pIndent"かごを完成させ、宿舎へ。 夜桜見物を楽しみ、夕食後は内山先生を囲み、地域文化について、 夜遅くまで意見交換。
絶好のお花見日和。村内花めぐりに出発。 しだれ桜、ソメイヨシノ、花桃、つつじ、紅白のコブシ等。 樹齢500年のしだれ桜は見事な咲きぶりで本当に感動。 色とりどりの花は今が盛りとばかり咲き乱れ、まさに春爛漫で素晴らしい彩。 村を一望する小高い丘に登り、花いっぱいの上野村、満開のプラムの咲く果樹園、 風に舞う花びらの片々を堪能。 満開の中正寺のしだれ桜の下で昼食。
道の駅上野、上野村銘木工芸館などを見て回った後、「木古里」高橋さん宅の 改修工事の終わったまっ白い土蔵を見学。
山里の暮らし体験、紅葉と森林浴を楽しむ
内山先生宅で裏山の雑木林の伐倒作業、山道の草刈り、薪割りなど山里の暮らしを体験。
山里の暮らしの楽しさと大変さの一端を感じさせられました。
休憩時には、内山先生のつけた大根・白菜の漬物、鹿の肉料理をごちそうになりました。
鹿の肉は柔らかく、臭みもなくおいしかったです。
夕食後、内山先生を囲む交流会を開きました。 山里の暮らしについて意見交換をしました。
紅葉の美しい神流川上流の北沢渓谷に入り、シオジ原生林の木々の素晴らしさに感激。 往復5時間、思いっきり渓谷の紅葉森林浴を楽しみました。
夕食後、里の語りべを聞く会を開催しました。
「山間地農業の移り変わり」と題して、地元農家・高橋隆さんに
昭和30年代から今日までの上野村、旧中里村の農業についてお話いただきました。
専業農業から耕種農業、有畜農業、家族農業、半自給農業、ええっこ(ゆい)農業、
農業と生活の一体の移り変わり、大豆・小麦・野菜などの自給農業の実態等をお話いただきました。
昔懐かしい農具の実演や直接触れたりして、交流を深めあいました。
スーパー林道(御荷鉾林道)見学をしながら、もみじ狩りや自然観察をしました。 途中で妙義山・浅間山・雪の谷川岳など遠くにはっきり見ることができました。 さらにダム湖が完成間近の神流川の本谷の奥へと足を延ばしました。
前日お話いただいた高橋さんのお宅で、実際にお話にでてきた農具を見せていただきました。