「奥多摩の林業地を訪ね、森林林業の多様性と活用を考える」
奥多摩の旅
今まで森林フォーラムの会は林業視察というと九州から北海道まで遠方の森林を視察に行くのが常であったが、2019年に当会員である檜原村の林業家の田中惣次さんがテレビの人気番組「ぽつんと一軒家」で紹介されたことがきっかけ。
(その後田中さんは2021年5月に、森林文化の発展に貢献した人物や団体に贈られる「緑の文化賞」~国土緑化推進機構~ に選ばれている。)
そこで今回の旅は、田中林業を訪ね、森林林業の多様性と活用について現場と発生する木材を活用した山里の産業と暮らしを見てこようという企画である。
JR武蔵五日市駅集合であったが、田中さんがすでに駅まで迎えに来ていて、林業地だけではなく檜原村の見所を次々と案内してくださった。最初に案内されたのが「郷土資料館」ジオラマや山村暮らしの生活雑貨などを見学。
昼食は持ち込みの弁当。南浅川渓流の瀬音を聞きながら爽やかなそよ風を受けて、田中さん宅でご用意いただいたお茶、お菓子、フルーツなどいただく。
歩いて登った樹林地は20年生程度から200年生の歴史とつながるスギ・ヒノキ・サワラなど針葉樹が続くが、林道ちかくにはコメツガ・カヤ・モミなどが巨木となり付近には実生の針葉樹が数多く見られた。
谷筋は100年を越すヒノキ林。
車に分乗して奥地へ。田中林業の「薪加工場」に到着。実際の林業地を見学させていただいた。
今までも、また今後も林業の振興や復興を考えるキーワードは「人」「道」「機械」であるとのこと。
「天然下種更新」を目指し、また多様な樹木管理で木材を育て、利用を促進する試みを強い信念で語られることに深い感銘を受ける。
※天然更新:森林の伐採後、前生稚樹や自然に落下した種子等から樹木を定着させることで、森林の再生(更新)を図る方法。林野庁HPより
都民の森周遊、森林館では現在の都民の森の様子を解説していただく。
それから田中さん自慢のウッドチップ森林セラピーロードを経由して、三頭大滝まで歩く。その後車で移動して、北秋渓谷沿いの林道の草広場で宿で用意していただいた「おにぎり弁当」を美味しくいただく。
その後檜原 森のおもちゃ美術館、舞茸センター、おもちゃ工房、ジャガイモ焼酎工場見学し盛りだくさんの村の産業文化に触れ合うことができた。
身近と思われた東京の西のはずれの村は、驚きと感動の連続、森の産物と、自然と人が作り出す食と暮らしの文化が、これほど見事に現れている地域は全国的に見ても、そう多くはないのではないか。
森と村と人と食と文化の檜原村案内人・田中惣次さんに感謝。ありがとうございました。
JR五日市駅にて解散
【主な行程】 10日:田中林業地訪問、/11日:都民の森、檜原 森のおもちゃ美術館、おもちゃ工房、ジャガイモ焼酎工場見学
【参加人数】 15名